はり・きゅうの効能

 はりやきゅうは、昔から病気の治療に取り入れられてきましたが、西洋医学が日本に入ってきてからは、民間療法のような感覚で、軽視されていました。しかし、最近の研究で、科学的にもその効果が証明されてきて、代替医療として、多くの病院でも取り上げられるようになってきています。
こんな新聞記事がありましたので、ご紹介します。

 東洋医学の治療法は漢方薬を飲むだけではありません。症状に応じて「経穴」、つまりツボを刺激するはり・きゅう、指圧マッサージなどが知られています。
 はり・きゅうは筋肉や関節の病気に使う治療法と思いがちですが、実は気管支喘息、生理痛、花粉症や胃痛など、非常に幅広い臓器の治療に効果を発揮します。近年では妊娠時の「逆子」の治療や免疫力の向上、炎症の抑制にも効き目があることが科学的にも証明されてきました。
 はりは痛い、きゅうは熱いと思い込んでいる方がいるかもしれませんが、それは誤解です。はり治療に使う針は非常に細く、弱い電気が走るような「得気」を感じる方はいますが、痛みはほとんどありません。きゅうも、やけどをするほど熱くはありません。中国では熱く感じる前に払い落とす方法も多用されています。
 きゅうは「がい葉」の名で漢方薬にもなるヨモギを乾燥して使い、体を温めてエネルギーを高め、全身を活発に循環させる働きがあります。ほぼすべての病気に対応可能なはりと違い、どちらかといえば冷え性や体がむくみやすい人、虚弱体質の人に向いています。自分でできるのも、はりと違います。
 はり・きゅうは漢方薬に比べて即効性がある半面、作用が持続する期間が残念ながら短く、三日か四日くらい。週に一回程度のペースで繰り返す必要があるでしょう。
 残念なのは、はり・きゅう治療の健康保険が全面適応されないこと。現在は特定の病気について、鍼灸院で施術を受けた場合だけが適応対象。その他の病気の方には残念な実情になっています。
 最近は「アロマセラピー」「リフレクソロジー」も盛んになってきました。香りを使ったり、足の裏や全身の肌を刺激し、体と心を快適にする効果が大脳生理学で立証されています。日々の活力を得る身近な方法として、今後の普及が望まれます。


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