『うつ』の人への言葉かけ

最近のストレス社会で、体が対応できず、「うつ」になってしまう人が多いといいます。「うつ」は心の風邪です、という方もいらっしゃるくらい、誰でもかかる可能性があるし、誰でもなりやすいということでしょう。
しかし、風邪と違って、まわりの人の対応はとても難しいものがあります。よかれと思って掛けた言葉でさらに重い症状になってしまうこともあります。そんなときの「ささやかなヒントとして」という精神科医の記事がありましたので、紹介します。
「うつ」の人に対し、“頑張れ”と励ましてはいけない、という知識はかなり一般に知られてきているようです。なぜなら、頑張り果てて「うつ」になっているからです。では、何と言ってやればいいのでしょう?ここでは、平凡でささやかな子駑馬を紹介してみます。
 骨折をした人を思い浮かべてみましょう。ギブスの時期は“まずは休養”。リハビリの時期は段階的レベルアップをするわけですから、“少しずつ”“焦らず”などという言葉かけが大切です。やりすぎると、こじらせてしまいます。「うつ」もこれと同じなのです。
 しかし、「うつ」で困るのは、マイナス思考と傷つきやすい点です。5割できても、できていない5割の方をみて、自分はダメだと思い込みがちです。こんなときは、“今はそれでいい”“よくやってるよ”と、やれていることを気づかせ、評価してあげてください。“やりすぎないように”など、無理な疲れを溜め込まないように言葉をかけてください。10割できるようになっても「疲れやすさ」はしばらく残ります。“上手に休みを取ろう”“ほどほどに”と言い続けましょう。
 周囲の人の理解と温かい言葉かけの持つ力は、薬以上かもしれません。逆に、プレッシャーや冷たい態度、怒りの言葉などは「うつ」を逆戻りさせたり、より悪化させてしまいます。言葉が大きな力を持っていることを意識して、大切に使ってくださいね。



                   
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